テレビ事情

マスコミの報道を見ていると、あたかも3.11東日本大震災が、だいぶ過去のことになってきている感じを受ける。

無論現実はそんな簡単じゃない。
いまだに東北の被災地の方々は相当数が不自由な暮らしをせざるを得ない状況だろうし、俺の暮らす関東圏だって福島原発から漏れた放射性物質にさらされている。
この状況はまだ何年も続くだろう。下手すりゃ俺の残り人生の間は戻らないかもしれない。つまりは世界は変わりっぱなしでもう戻らない、そういう時代の一大転換点だと言う事だ。
それなのに例えばテレビはもうすっかりそれ以前に戻ったかのように、旧来と変わりない番組編成に戻っていたりする。

それは一方では仕方がない。何も年がら年中、現実の中の敢えて苦しい部分ばっかりクローズアップして語る必要もないのだし、日本全体を考えるなら被災してない人だっているのだし。

そうやって考えると変わらなくたって全然構わない。
構わないけど、その反面、変わらなきゃいかんだろと思う気持ちもある。
だって世界が変わっちゃったんだぜ?と。

これから先の世界は、消費電力に気をつけながら、放射線から身を守りながら生きていく、そういう世界なのだ。日々色んなことに気を配りながら、目を配りながら生きていく、それが当たり前の世界なのだ。
ついこの間までとは全然違う人生観がそこにはある。
そんな風に世界が変わったのに、テレビモニターの向こうはあまり代わり映えがしない。
相変わらず政治家は政争を繰り広げ、それを伝えるキャスターは訳知り顔でこの国の行く末を案じてみせる。テレビショッピングは甲高い声で値段を叫び、アイドルたちが人気投票の票数を競って涙を流したりもする。

別にバラエティ批判とかそういうことじゃない。真面目なドキュメンタリーが偉いとも思わない。ニュースだけに価値があるなんて事を言うつもりもない。
ただ、様々な番組作りのその手法というか、切り口というか、そういう物の変化が、あの大きな事態の前後でほとんどない事に、失望を感じるのだ。
テレビは時代を映す鏡だったのに、もはやそうではなくなってしまったのだな、という慨嘆である。
視聴率の低落傾向というのはずいぶん前から言われる事であるけれど、いよいよテレビと時代との乖離が無視出来ないところまで大きくなってきたなと思うのである。
そしてそんなタイミングでデジタル放送への切り替えが行われる。
これを機に視聴習慣が減る人も多いのではないか?
そしてますますテレビと現実は乖離していく……

リビングにテレビがあり、そこに家族が集まるという家庭は、今どれぐらいあるのだろう?
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by w-edge-t | 2011-07-04 20:51 | 日々の暮らしで考えた


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高山なおき プロフィール

ダブルエッジ 作家
1969年7月6日生まれ

主な作品
○映画
「娘道成寺~蛇炎の恋~」(高山由紀子と共同)

○演劇
「ダブルエッジの忠臣蔵!」
「輪廻くん」
「天気待ち~waiting for the sun~」(奈良橋陽子と共同)  他

○ラジオドラマシナリオ
NHK-FM「魔法の王国売ります!」他

○テレビドラマシナリオ
NHK「ゴーストフレンズ」 他

○ゲームシナリオ
東芝EMI「ずっといっしょ」

○小説
ZEST「ずっといっしょ~秘密の星空~」

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