新し懐かしい新番組たち

もう何年も、「毎週欠かさずこの番組を見るぞ!」というようなテレビ番組はなかった。
別段テレビを見てない訳じゃない。
バラエティなんかでお気に入りはある。だが「欠かさず」見てるかと言うと違ったりする。何もなければほぼ毎週見るが、用事があれば見ないし別に見逃した事を気にしたりもしない程度だ。
またスポーツの試合なんかも、まあそれなりに見ていたりはする。けどこれも全てを欠かさず、というほど特定のチームに肩入れはしていなかったりする。

「欠かさず」というノリにならないのは理由があって、要するに連続モノのドラマなんかをあまり見てないからであろう。

で、そんな俺が、この春の新番組でいきなり2つも、「これは欠かさず見よう」と思って見ている番組がある。
実際もうそれぞれ3話ほど放送があったが今の所欠かさず見ている。
ぶっちゃけ、2番組ともアニメである。
もともと原作が好きで、今回アニメが始まるので楽しみに見始め、満足してそのまま視聴を続けているのである。

一つは「宇宙戦艦ヤマト2199」である。
ヤマトだもの、見ない訳いかない。
元々のヤマトと言えば、それはもうなんと言うか、相当深い所に刻み込まれた、ルーツともいうべき作品である。影響を受けたとかそんなレベルではない。自身の基礎を作っている土台の一部という感じである。
あの一番最初のヤマトの、なんと面白かった事か。テレビシリーズも、映画版も、一体何度見たかもわからない。続編の劇場版も公開の度に胸躍らせて劇場に足を運んだが、なんと言っても一作目のテレビシリーズ。これに勝るものはなかった。
海は干上がり真っ赤に汚染された滅亡寸前の地球、降り注ぐ遊星爆弾、赤錆びた瓦礫が崩れ中から現れる未来的な宇宙戦艦、「地球の滅亡まであと**日」という毎回の煽り、グニャグニャと歪みながら超長距離を移動するワープ、有無をいわさぬ威力を感じさせる波動砲、異星の超科学を感じさせるコスモクリーナー、遥かな宇宙のロマンをかき立てるマゼラン星雲という目的地、相容れぬ異文化を感じさせるガミラス帝国、七色星団という宇宙の神秘とそこで繰り広げられる手に汗握る大決戦、滅び行くガミラス母星の物悲しくも醜悪な姿と清らかなイスカンダルで構成された目的地設定の妙……
たった一つの作品とは思えぬ程の見所のつまりっぷりである。今振り返っても実によくできてると思うし、またちょっと振り返っただけでこれだけスラスラ出てくるほど体に刻み込まれてる事に我ながら驚いたりする。
ただし、全てが手放しで素晴らしいかと言えば、やはり今の目で見た時には辛い部分も多々あって、その最たるものは絵であろう。
さすがに古いアニメであり、今見るとそれはそれはもう見てられないほど絵がガッタガタである。
先ほどグニャグニャ歪むワープと書いたが、ワープの場面じゃなくても年がら年中グニャグニャなんである。
それが今回のリメイクである。戦艦なんかの描写はCGモデルのようである。当然、全くグニャグニャしないのである。それだけで充分有り難いのである。
ま、全体的にやけに女性乗組員が増えてるなあとか、気に入らない点がない訳ではないが、大筋は変わってないのでこの際目をつぶろう、グニャグニャしないヤマトがイスカンダルまで行くと言う時点でこっちは満足である。

そしてもう一つ、欠かさず見ているアニメがBS11で放送中の「ぼくはおうさま」である。
こちらは名作児童文学のアニメ化である。
「どこのおうちにも こんなおうさまが ひとり いるんですって」という巻頭に掲げられた名文が全てを表す、子供のような王様が繰り広げるナンセンスな物語の連作シリーズである。
これまた原作が大好きだったんである。はるか昔、子供の頃、同じ本を何度も何度も繰り返し読んだものである。
現在は多分10冊を越える大シリーズだと思うが、俺が子供のころはまだほんの数冊しかなかった。その数冊のエピソードを、何度も何度も繰り返し、飽きもせずに読み返したものである。
児童文学の大名作の一つだと信じている、おうさまシリーズがついにアニメ化である。期待と不安が入り交じりつつ、その放送を楽しみにしていたのである。
そして実際に出来上がったものはと言えば、これは素晴らしい出来であった。
原作の挿絵そのままの雰囲気を保った絵にあわせて、原作の文章をそのままナレーションで読み上げる方式だったのである。
まるで絵本を読み聞かせてもらっているがごとき気分にさせてくれるそのスタイルは、例えば見就学児童とその親が一緒に見るのに最適な形であろう。それはこの作品のアニメ化としては最良の形なのではあるまいか。
俺自身、見ている間、実に見事に「おうさま」の世界に浸らせてもらっていて、大満足なのである。

かくしてこの春、お気に入りの番組が二つできた訳だが、共通しているのはノスタルジーを刺激されているという事であろうか。
俺もそういう年になったという事なのか?
或いは、アニメーションの作り手たちが過去の名作に対してその価値の根幹をきちんと理解した作品作りをしているという事であろうか。
スタッフの皆さんに敬意を表しつつ、今後も楽しんでいきたいと思うのである。
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by w-edge-t | 2013-04-23 11:02 | 日々の暮らしで考えた


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高山なおき プロフィール

ダブルエッジ 作家
1969年7月6日生まれ

主な作品
○映画
「娘道成寺~蛇炎の恋~」(高山由紀子と共同)

○演劇
「ダブルエッジの忠臣蔵!」
「輪廻くん」
「天気待ち~waiting for the sun~」(奈良橋陽子と共同)  他

○ラジオドラマシナリオ
NHK-FM「魔法の王国売ります!」他

○テレビドラマシナリオ
NHK「ゴーストフレンズ」 他

○ゲームシナリオ
東芝EMI「ずっといっしょ」

○小説
ZEST「ずっといっしょ~秘密の星空~」

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