裸眼で街を歩く

昨日、メガネを新調した。
近視が進んだからでも老眼が入ってきたからでもなく(いや実際は若干老眼入ってきてるようだが)、前のメガネが壊れたからである。
一昨日、出先でぶつかった瞬間に真ん中から綺麗に真っ二つになった。6〜7年使っていたのでだいぶくたびれていたんだろう、ほんのちょっとした衝撃でパキンといった。左右バラバラ、モノクル二つという状態である。弦が折れたぐらいの事なら何とか無理にでも鼻に引っかけて歩くところだが、真っ二つとなるとそうもいかない。なんともかけようがないので仕方なく、裸眼で街を歩くハメになった。
そのとき頭をよぎった不安たらなかった。
恐怖といってもいい。
何せこっちは10代からメガネかけているのである。裸眼で外歩くのなんて一体どれぐらいぶりだか思い出せん程久しぶりである。何もかもボヤボヤの世界に放り出されて果たして俺はまともに活動できるのか?

結論から言うとなんて事はなかった。全然大丈夫だった。
確かによく見えないけど、その分勘が働くようになっていた。
看板の文字は読めないが、恐らくここが入口だろうなとか、こっちがトイレだろうとか、この列が求める切符の販売列だろうとか、おおよそ街中での身の処し方に関しての常識みたいなもので、何とか補う事が出来たのだった。

メガネをかけるようになって早30年以上が経つ。
その間視力は右肩下がりに失う一方だが、一応その分社会常識のようなものは身に付いたようである。

生物としての機能は年々下がり続けている。ぶっちゃけた話、俺の成長期はとっくに過ぎた。あとはもう時々刻々、着実に衰え続けているばかり。その先に待っているのは死だ。
何とかその日を先延ばしにしようと色々な知識やら常識やらで武装しているが、根本的な問題は変わらない。ただただ下り坂を下ってるだけ。下るのが遅くなる瞬間はあっても決して登る事はない。
まあそれでいいやと思う。
いずれ死ぬ。どうせ死ぬ。どう生きようと最後は同じ。そう思うからこそ思い切り大振りなこんな人生を送れるのだ。

無論、まだまだ死ぬ気はない。新調したメガネをかけて、明日からまたあがく予定である。
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by w-edge-t | 2013-10-08 21:11 | 日々の暮らしで考えた


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高山なおき プロフィール

ダブルエッジ 作家
1969年7月6日生まれ

主な作品
○映画
「娘道成寺~蛇炎の恋~」(高山由紀子と共同)

○演劇
「ダブルエッジの忠臣蔵!」
「輪廻くん」
「天気待ち~waiting for the sun~」(奈良橋陽子と共同)  他

○ラジオドラマシナリオ
NHK-FM「魔法の王国売ります!」他

○テレビドラマシナリオ
NHK「ゴーストフレンズ」 他

○ゲームシナリオ
東芝EMI「ずっといっしょ」

○小説
ZEST「ずっといっしょ~秘密の星空~」

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