面白い物語を書こう

なんかもうどうしようもなく間が空いてしまった。
やはりブログは「書かねば」という使命感でやっても長続きしない。
書きたい事があって書かなければ続くものではない。
まあ肩の力を抜いて、間が空くのもあきらめて書きたくなった時だけ書くしかない。

世の中色んなことが起こってはいる。東京の大雪はすごかった。都知事選もあった、STAP細胞の発見なんていうのもあった。有名作曲家のゴーストライター問題もあったし、冬季五輪も始まってたりする。

ブログを更新していない間の出来事だと、去年の年末、呑気にテレビを見て過ごした中で、NHK-BSの「神の数式 完全版」は面白かった。理系でもなく数学の知識などさっぱりない身に、わかる範囲に噛み砕いて最新の数学界の成果を説明してくれた同番組は、知的興奮を喚起してくれる実に面白い番組だった。

結局のところ、我々は物事を物語化して理解する事しか出来ない。どうやら人類というのはそういう脳みそになっているんじゃなかろうか。とりわけ、自分の専門外の事は、専門の人に物語化してもらわないと理解出来ない。そういう事なんじゃないだろうか。
物語とはその意味において誰にでも理解できる最大公約数だ。数学の数式が理解出来ない者は、「数学者、物理学者達の真理を探究する絶え間ない歩みの物語」として捉える事で、ようやくその意味を共有できるという訳だ。

つまりは物語とは、世の中の出来事を、ある真理を、噛み砕いて人の口に入る形に直す作業だとも言える。
それはそうだ。どんなに嘘八百の作り話であっても、そこに一抹の真実がなければ物語は輝かない。僕らはいつもそんな物語を作りたいと願い、努力する。その意味においてフィクションとノンフィクションの間に差はない。

その大変よく物語化された「神の数式」と同じNHKスペシャルで取り上げられ、今問題になっているのが、作曲家、佐村河内守氏の物語である。
彼が語った物語は、真実に根ざしていなかった。クラシック音楽を知らない者達がクラシックを理解するためになされる筈の物語作りが、むしろ真実を隠蔽するための物語になってしまったという事であろうと思う。そしてその嘘がバレた時、戸惑ったり、憤ったり、それでは真実の物語はどうだったのかを探ろうとする動きが生まれていると、そういう事だろうと思う。

スポーツイベントで感動するのはそこに物語を感じるからだ。一人の選手を長く見てきて、物語を共有していればいるほど、感動は深くなる。

現実のどこをどう切り取れば、その出来事を表すのにふさわしい物語が出来るか、それは出来事によって違う。STAP細胞発見の物語を書き出すのに学生時代の卒業アルバムを持ち出すのはふさわしくないと誰もが思ったから、その報道は批判されたのであろう。都知事選において、原発ゼロか否かという争点で物語を盛り上げようとしたマスコミは、大多数の都民より東京の事をよく理解していなかったのだろう。受け手のレベルより単純化された物語など退屈でしかない、投票率が下がるのも当然だ。亀田三兄弟の物語に最初はノった大衆が離れたのは、その物語の盛り上がりどころである試合自体があんまりにも面白くなかったからだろう。

面白くなきゃダメなのだ。だがそれは現実をねじ曲げて、嘘を塗り重ねてただ上っ面を整えればいいという事を意味しない。そんな底の浅さはかえってつまらない。本当に面白ければ、それで皆納得するんじゃないだろうか。

つまらない物語にはノーと言おう。そして面白い物語を生み出すために努力しよう。俺にはそれしかない。
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by w-edge-t | 2014-02-10 12:50 | 日々の暮らしで考えた


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高山なおき プロフィール

ダブルエッジ 作家
1969年7月6日生まれ

主な作品
○映画
「娘道成寺~蛇炎の恋~」(高山由紀子と共同)

○演劇
「ダブルエッジの忠臣蔵!」
「輪廻くん」
「天気待ち~waiting for the sun~」(奈良橋陽子と共同)  他

○ラジオドラマシナリオ
NHK-FM「魔法の王国売ります!」他

○テレビドラマシナリオ
NHK「ゴーストフレンズ」 他

○ゲームシナリオ
東芝EMI「ずっといっしょ」

○小説
ZEST「ずっといっしょ~秘密の星空~」

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