カテゴリ:芝居の現場で考えた( 21 )

相方からの告知

もう一人のダブルエッジ、田辺から、以下の告知が届いたので掲載する。

こんにちは。ダブルエッジの役者の方、田辺日太です。
先日行われました、「輪廻くん」下北沢公演へお越し頂きました皆様、誠にありがとうございました。
来年の2月には、ダブルエッジの新作公演があります。今後とも、よろしくお願いいたします。

さて今月、私はtea for twoという劇団に客演します。
よろしければ、是非そちらへもご来場ください。


tea for two 第20回公演

『恩師の隣人の同僚のメル友からの助言』

2011年10月20日(木)〜23日(日)

「知り合いの知り合いを6回重ねると、世界中の人と知り合いになれるとか、アメリカの大統領にたどり着くとか言う。
顔も知らない誰かさんの言葉に振り回されたくもないけれど、そんな助言で幸せになれたりもする…」

【公演日程】
10月
20日(木)19:30
21日(金)19:30
22日(土)14:00&19:30
23日(日)13:00&17:00

受付開始は開演の45分前、開場は30分前

【会場】
下北沢「劇」小劇場  
世田谷区北沢2-6-6
小田急線・京王井の頭線「下北沢」駅 南口下車、 徒歩5分

【チケット】
前売 2800円
当日 3000円
ペア割引 5000円(前売のみ・限定50組)

【作・演出】大根健一

【出演】西尾早智子、大岡伸次、塚原美穂、小森健彰、湯沢千佳
畠山明子((有)飛田企画)、渡邉亜希子、いまいゆかり、雨宮俊夫、田辺日太(ダブルエッジ)

公演サイト
http://homepage3.nifty.com/teafortwo/


tea for twoは、「喫茶店の隣の席の会話がきこえてくる」ような距離感による少人数の会話劇を中心に活動を重ねています。

舞台上でその瞬間に起こるドラマと、その時間を生きる役者を楽しんでいただく「小さな空間の芝居」です。

ご来場の日時が決まりましたら、以下の予約ページからご予約が出来ます。

予約ページ
https://ticket.corich.jp/apply/30488/c11/

こちらでご予約頂くと、私の名前扱いで、劇場の受付にて当日清算のチケットとしてお預かりさせて頂きます。

では、ご来場お待ちしております。
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by w-edge-t | 2011-10-07 07:26 | 芝居の現場で考えた

執筆に向けて

ここのところ本ばかり読んでいる。
俺の場合、時期によって本を読みたい時とまったく読みたくない時に別れる。
読みたくない時というのは自分が書いている時である。
書いてる時は読んだものに引きずられそうで嫌なのでまったく読まない。
本だけでなく物語全般を避ける生活になる。映画もテレビドラマも見ない。
例外としては資料的な本、数字やデータやある事柄に関する記述など。これは当然、本を書いてる最中に目を通す事はある。

今は次回作の準備期間である。前回お伝えした次回作、「宇宙の果ての暮らし方」は、今現在おおざっぱなあらすじはできている。
これからの作業は具体的なプロット、つまりどんな場面で構成され、それぞれの場面にどんな登場人物が出て、何を思いどんな行動をするか?その辺りを決める事である。
つまり設計図作りのようなものだ。
これができたら、いよいよ本編の執筆にかかる。
まだるっこしいようだが、きちんと手順を踏む方が結果的には早く書けるのである。
本編執筆に入ったらもう本は読めないが、今の時期はまだ大丈夫である。というよりむしろ、資料だったり参考にするべき物語だったりを読む事で、執筆に入る心構えを作っているのである。

今回、特に読み返したのが「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズである。
イギリスの小説。作者はダグラス・アダムズ。
SFコメディの大傑作にして、もはやこれ抜きには語れないほどの古典とも言うべき作品であり、俺の大好きな本でもある。
昔、新潮社から出ていて、その後長く絶版だったが、5年ほど前に映画化にあわせて河出書房から新訳版が出た。
新潮社版は最初の3作だけだったが河出版は全5作揃っている。

学生の頃、新潮社版に出会ってから一体何度読んだろうか?その後原語版も買ったし新訳版が出た時は喜び勇んで本屋に走った。
ある意味、今の自分の一部分を形作った本であると言って過言でないと思う。
世の中を皮肉ったようなギャグの数々は今読んでもやはり面白い。
生命宇宙万物にまつわる究極の答えだの、創造主からのメッセージだの、あまりに壮大なギャグの数々は俺の人生の指針である。
もともとラジオドラマとして作られ、ノベライズされ、テレビドラマ化され、映画にもなった。日本での知名度こそさほどではないがイギリスでは誰もが知る傑作中の傑作である。
イギリス人なら是非読んで欲しい。
と言ってもこのブログを目にする大半は日本人だろうが、まあ気になったら読んでみて欲しい。

ダブルエッジ次回作「宇宙の果ての暮らし方」も、タイトルからわかる通り宇宙モノである。しかもコメディの予定である。
及ばずとも「銀河ヒッチハイクガイド」の精神ぐらいは見習って書きたい。そう思い、再び読み返したのであった。
そうやって自分の感性をリセットして、精神を執筆に向いた状態に作り上げて、さあ、執筆にかかっていこうと今このブログを書いている訳であるが……

データ等に正確を期すため、「銀河ヒッチハイクガイド」についてネットで調べてみた。

アイルランドの作家オーエン・コルファーによって"And Another Thing..."と題された第6作が執筆され(中略)日本語版は、2011年5月10日に河出書房新社から『新 銀河ヒッチハイク・ガイド』の題で出版された。

……第6作?

関係者の皆様:執筆にかかるまでもうすこし時間を頂きます。
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by w-edge-t | 2011-09-30 14:12 | 芝居の現場で考えた

「輪廻くん」ご来場ありがとうございました。

オリジナルをご覧になった事がある皆様。
再び足を運んでいただきありがとうございます。いつもと雰囲気の違う舞台、楽しんでいただけましたら幸いです。

今回初めて「輪廻くん」をご覧になった皆様。
ご来場ありがとうございます。物語や役者田辺が気に入っていただけましたら、次回はダブルエッジの本公演に足を運んでいただければありがたい限りです。

芝居はライブである。
その場に居合わせた全ての人が、その場にいたからこそ、ライブは完成する。
もし楽しんでいただけたなら、それは観ていただいたあなた自身の力も、少なからずお借りした結果である。
楽しんでくれてありがとう。
そしてもし、楽しんだ結果、何がしかをあなたの心に残せていたら、作り手としてこれに勝る喜びはない。

……「輪廻くん」公演が終わった。
田辺と二人、今日最後の片付けをして、ダブルエッジにとっての今回の芝居は全て終わった。
明日からは、次の公演に向けて気持ちを新たに向かって行く所存である。
さて、その次の公演であるが、すでに予定は決まっている。
ご来場頂いた方にはパンフレットにチラシを挟んであるのでそちらをご覧頂ければと思うのだが、気付かずにすでに棄ててしまった方は続きをお読み頂きたい。

ダブルエッジ2012年公演「宇宙の果ての暮らし方」
〜How to live at the end of the universe~

作:高山なおき 演出:八木澤賢(青果鹿)
出演:田辺日太 他

チケット:前売り2800− 当日3000−
日時:2012年2月2日(木)〜5日(日)
会場:キッド・アイラック・アート・ホール(京王線 明大前駅より徒歩2分)

ダブルエッジは次はこの作品で勝負する。
宇宙ステーションを舞台にした物語であるが、そこで表現したい事は率直に言えば「震災後の世界について」である。
準備を進めつつ、追って詳しくこのブログでもお話をしたいと思っている。
どうかご期待頂きたい。
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by w-edge-t | 2011-09-22 22:39 | 芝居の現場で考えた

「輪廻くん」に関してお伝えする事

いきなりお詫びから入る。
以前、このブログでお伝えした、アフタートーク用企画についてであるが、今回、この企画は「見送り」という事になった。
理由は、やはり本編の稽古を優先してやってきた結果、そこまで手が回らなかった、という理由が大きい。

期待して下さった方がいるなら、それは俺がフライングして発表してしまった事が原因であろう。申し訳ない。
俺自身、書いた本が「お蔵入り」になった訳で、その意味では残念に思っている。
しかし、言い訳でなく、あくまでメインは「輪廻くん」本編なので、ぜひ、その仕上がりを楽しみにしていただきたい。

アフタートークの最終的な企画内容は「観客の皆さんの質問に答える出演者3人のトーク」ということになった。
会場に質問箱を置き、開演前に皆さんから質問を受け付け、終演後、その質問を出演者に見せ、回答&そこから派生するトークを楽しんでもらおうと言う内容になる。
質問箱については受付のスタッフに聞いていただければすぐわかる手筈になっているので奮ってどうぞ。

その他には、終演後に会場で「輪廻くん」を含む「ダブルエッジ作品集」を販売する事になった、と言うのも、ぜひ伝えておきたい事柄である。
Vol.1と2、それぞれ過去の作品の台本を5作品づつおさめている。「輪廻くん」が収録されているのはVol.1である。興味のある方はぜひ手に取ってご覧頂ければと思う。各巻¥1500−、2冊あわせて¥3000—となっている。

それ以外にも「輪廻くん」のロゴをあしらったハンドタオルも用意しているようだ。こちらは¥500—。観劇の記念にどうぞ。
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by w-edge-t | 2011-09-13 22:51 | 芝居の現場で考えた

稽古場は燃えているか?

室温ネタではないのでご心配なく。

9月の声を聞いて1週間以上が過ぎた。
いよいよ「輪廻くん」も本番が近付き、稽古も最後の詰めとばかり熱が入る。
とりわけ、演出のノゾエ征爾氏と主演の高橋一生氏は連日熱くぶつかり合っている。
(写真は動きをやってみせて説明するノゾエ氏とそれを見つめる高橋氏)
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誤解して欲しくないが、ぶつかり合うというのは決してケンカだとかそういう意味ではない。
芝居の現場っちゃあそういうもんなのである。

例えば映画やドラマの撮影現場というのはほとんどぶつかり合いは起きない。
タイトな撮影日数の中で、一つの作品を形作るカットを全て撮影するには、いちいちぶつかりあっていたら間に合わないと言う物理的な事情もある。
しかし根本的な理由は要するに監督が独裁的に支配する現場だからである。
今撮影しているカットが作品全体に対してどういう意味を持つのか、その正確なところを理解しているのは監督しかいない。だから監督に全ての判断を任せる以外仕方がないのである。
従ってぶつかりあいは時間の無駄であって極力排除されるべき事柄になる。
映画でぶつかりあいがあるとすればそれは編集現場であろう。
すでに撮影されたカットのうち、どれを使い、どれを棄てるか。どういう順番で並べるか。撮影済みのフィルムという現物がある場で、初めて意見を交わす事が可能になる。

ところが芝居は事情が異なる。
本番で観客の前に並べられる要素が稽古初日からあらかじめ揃っている。
つまり役者の事である。
映画はフィルムでできているのに対して、芝居は役者でできているのである。
役者は、完成形を想定して、本番でどう動けばいいか、どう喋ればいいかを稽古で身に付けていく。
一人の役者は自分の演じる役について、責任を持ってその振る舞いを考え、身につけて、実行する。
演出家の仕事はその交通整理である。
芝居全体に対して、一人一人の役者がどのように振る舞うと効果的か、他の役とのバランスを取りながらアドバイスする。

独裁者と交通整理。

映画の監督と芝居の演出家はこんなに違うのである。
そしてだからこそ、芝居の稽古現場では熱いぶつかりあいが起こるのである。

今ノゾエ氏と高橋氏は連日熱くぶつかりあっている。
その原因は何かと言えば、根本のところは本人たちにしかわからない事だろうけれど、こちらから見ていて感じるのは、「アクセルの吹かし方」について、ではないかと思っている。
高橋氏にはラストに向けて、思いっきりアクセルを吹かして欲しい。そのためには、どこで、どのように吹かしたら効果的か?
タイミングを間違えれば吹き上がりきらずに終わってしまうかもしれない。
方向性を間違えれば自己満足で終わってしまうかもしれない。
或いは他に気になる事が残ったまま吹かしても、うまく吹き上がらないかもしれない。
……そんな調整を、実際にやる側の感覚と、観ている側の感覚を調整しながら探っているのだろうと思う。

それにしても二人ともあきらめずに粘る!稽古時間を伸ばして取り組んでみたり、さらに別の視点からの意見を求めてスタッフを増員してみたり、様々な手を尽くしながら、根をあげずに正面からぶつかり続けている。

さてその結果はどう出るのか?
どんなものが本番で出来上がるのか?
ここまで来ると、俺も観客の皆さんと同じ感覚で、ただ楽しみに待つばかりである。
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by w-edge-t | 2011-09-09 11:51 | 芝居の現場で考えた

「輪廻くん」をよろしく

いかん。
日に日に「輪廻くん」本番が近付き、スタッフ、キャストそれぞれ稽古や準備に余念がない日々である。稽古に顔を出す限り、実に面白そうなんである。
ノゾエ氏の演出は、俺からは絶対出てこないプランで、なるほどと思ったりへえと思ったり、実に楽しいのである。これが演出と作家を別人がやる醍醐味である。

では一体何がいかんのか?
この時期、宣伝の為にもいつも以上にブログを更新するべきなのだろうけど、何やかや色々やる事があって、却って更新が減ってしまっている。
こういうところがいかん、実にいかん。という反省である。

もうちょっとマメにやれれば、少しは多くの人に観てもらえるだろうに、どうも下手糞でいけない。
もともとダブルエッジは宣伝とか、そういうところ下手なのである。
理由ははっきりしていて慢性的マンパワー不足である。
だって田辺と高山二人だけなんだもん。
本番が近くなると田辺は役者として稽古に専念せねばならず、俺は作家として台本を書く……、のをここまでギリギリにやっているようではどうにもならないのでそれはさすがにもっと前に終わっている。だったら暇そうなもんだが、意外と色々とある雑用に追われるので結局手が空かないのである。
で、宣伝が後回しになる。
わかっちゃいる、のだがかと言って舞台をおろそかにする訳に行かないので毎回どうにもならない。
今回の舞台はダブルエッジの仕切りではないので余裕があるかと思ったらやっぱりないのである。

んじゃ、それ以外の雑用って具体的に何よ?というと例えば今回の場合、おまけの台本を書いていたりする。
おまけの台本てなんだ?と思われるだろうが俺もあまり聞いた事はない。
「輪廻くん」のサイトをよく見ていただくと書いてあると思うのだが、実は今回の公演、本編以外に「毎公演終了後に出演者によるアフタートークあり」という事になっている。
このアフタートークと言う奴、最初の話では出演者やらスタッフやらが終演後に舞台に上がって色々とくっちゃべるという予定だったのだが、「それじゃ面白くない。なんかもっと面白い事できないか」という意見が上がり、日替わりメニューでいくつかの企画をやる事になったのである。
純然たるトークの日もあるとは思うがそれ以外に企画として、ちょっとしたおまけの芝居をやろうという案が上がった。つまりそれがおまけの台本である。

内容は「観客の皆さんの中から希望者を募り、その場で舞台に上がってもらって出演者と共演する。しかも観客の選択によって展開が変わる」という企画である。
相変わらず無茶な事ばかりやるダブルエッジなのである。
本番は追加公演含む8ステージ(18日19時の回が追加されたのでぜひよろしく!)、そのうちのどれかでこの企画をやる事になるはずである。

足を運んでいただく皆さんに少しでも楽しんでいただきたいのである。
その積み重ねでもっていつしか「ダブルエッジの公演は面白い」と思っていただく事が、我々にできる唯一にして最大の宣伝だろうと思ったりするのである。
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by w-edge-t | 2011-09-01 14:13 | 芝居の現場で考えた

稽古開始

さて、

9月14〜19日 下北沢駅前劇場にて上演予定の「輪廻くん」。
その稽古がいよいよ始まった。
稽古場は我らがダブルエッジの部屋を使う事になっていたのだが……
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まーこれが暑いのなんの。

17日から稽古が始まったのだが、
初日、二日目にあたる17、18日。

この二日間の暑さたるやただ事でない。

この夏のピークといわれた暑さである。

しかも、恥ずかしながら稽古場にはエアコンがないのである。
もうね、うだるような暑さとはまさにこの事。
ただ座ってるだけで汗がジャボジャボと湧き出てくる状態であった。
言葉だけで綴っても仕方ないので論より証拠、写真をご覧頂きたい。
17日の室温が33度である。そして湿度が64%。
何がすごいって外の方が涼しいのだ。まだ風があるから。

そんな稽古場に初めてやってきた主演の高橋一生氏(写真右)。
暑そうに座り込んでいたところに「おはようございます!」と声をかけると、顔を上げ、返事をするその額には冷えピタが!
感心するやら申し訳ない気持ちになるやら複雑である。

しかし、そんな中、何とか二日間稽古をしたところにまさに天の恵み!
今日の大雨である。室温は一気に下がり27度!
その差なんと6度!!!!!

……いや、ま、それでも暑いんだが、その前二日間を経験したメンバーの身には天国のような室温。
しかも予報によれば今後はこのまま気温も下がって行くというではないか。
ありがたやありがたや。

そんな訳で室温的にも明るい兆しの見え始めた「輪廻くん」。
どんな芝居になっていくのか?ぜひご来場の上お確かめ頂きたい。
公演情報はこちら
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by w-edge-t | 2011-08-20 00:14 | 芝居の現場で考えた

スタッフ顔合わせ

7月26日火曜、9月公演の「輪廻くん」スタッフ顔合わせがあった。
プロデューサーの山田氏をはじめ、
演出、ノゾエ氏。
舞台監督、西川氏。
音響、井上氏。
美術、青木氏。
宣伝美術、若桑氏。
制作、田中氏が一堂に会した。

ほとんどの方が初対面な俺としてはいささかの緊張と共にこの日を迎えた訳だが、幸いな事に「なんだこのクソみたいな台本はぁぁあ!やってられるかぁぁあ!」とか怒鳴られる事もなく無事終わったので一安心である。

大体において作家という立場は現場では割と微妙な立ち位置なのである。
基本的にスタッフではある訳だが、いざこうやって集まって「さあこっから頑張っていい芝居作りましょう!」という頃には俺の仕事は終わってるんである。
台本書いて渡したからこそ、スタッフ会議の段取りになってるんだし、手直し含め相当前に終わってる。
ところが上記のスフタッフの皆さんは基本的にこれからが仕事な訳で、もう全然立場が違うのである。
皆様が時間と戦いつつ精一杯のクオリティを求めて目を吊り上げて頑張ってる頃、俺はのほほんと「がんばってくださ〜い」とか言う感じなのである。

正直俺がスタッフだったらムカつくと思う。

稽古してる脇から「そこの演技、僕の書いたニュアンスと違うんですよね〜」とか得々と口挟んできたりしたら、張り倒したい衝動を抑えるので精一杯になって、却って芝居がおかしくなるのではないか。

だからこっから先の俺の仕事は集まったスタッフ、キャストの皆さんの邪魔をしない事、いやむしろもっと積極的に、いい気分でいい仕事してもらう事であろう。
その結果芝居が良くなりゃこっちもお得なのである。

だから俺は自分の台本が稽古で変わるのは一向に構わない。
台詞なんか言いやすいように変えたらいいし、ト書きなんか場合によったら無視したらいい。
無論、『それで芝居が良くなるなら』という但し書き付きだが、それさえ守られればどう変えたっていいのである。

そりゃ、俺だって書くときは一文字一文字、精魂込めて書く。句読点にまで気を使って書く。それはこっちの仕事だから当然である。
でも俺には俺の脳みそしかない。しかも一個しかない。
稽古が始まればそこには演出家をはじめとしたまた別の脳みそがある。何個もある。そこからいいアイディアが出たなら変えりゃいいのである。
要はちょっとでもいい芝居が出来上がりゃいい事なんだから。
だから俺は、スタッフを、キャストを、いい気分にするのだ。
いい気分で、最高の実力を発揮してもらうための環境づくり、そのお手伝い。
それがここからの俺の仕事だと思っている。

顔合わせの帰り、あるスタッフの方に「タイトル、いいですよね」と声をかけられた。
嬉しかった。
……俺がいい気分にしてもらってどうする。
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by w-edge-t | 2011-07-26 22:19 | 芝居の現場で考えた

はえぎわ

……と言っても最近後退してきたとかそんな話ではない。
劇団の名前である。

はえぎわ

9月の『輪廻くん』で演出を担当して頂く、ノゾエ征爾氏の率いる劇団である。
いや、ま、詳しく内情を知っているわけではないので、どれほど率いているかは知らないが。

先週末、公演を観てきたのである。公演タイトルは『○○トアル風景』。
下北のザ・スズナリにて、月曜日までの上演であった。
……いや本当はね、こういうよそ様の公演の話は上演期間中に書くべきだとわかっちゃいる。
とりわけ、今回のように面白かった公演の事はすぐ書くべきだと思っちゃいる。
だってまだやっている最中なら、この記事を読んだ中から「へえ、面白いのか、それなら行ってみるかな」という人が出ないとも限らないんだから。
でも難しい。ロングランででもないと、これがなかなか難しい。なかなかすぐには書けない。

アイドルじゃないんだから。
ただ「おもしろかったで〜す」とか書いて終わりにできるほど俺は可愛くないのである。
ちゃんと俺なりに最低限は消化して、言葉にしてからでないと書けない。

つまんなかったら、わざわざ消化する必要がないので、すぐ書ける。でもその場合、「つまんねーよ」と書くとケンカになりそうなので言葉を選ばなければならず、結局は書くのに時間がかかりそうである。
ただこの場合は遅れる事で記事を読んでから観に行くという二次被害が減るので、かえって良いのではないかと思う。

問題は今回のように面白かった場合である。ただでさえ、芝居は儚い。
公演期間が終わればこの世から消えてしまう、役者は台詞を忘れ、舞台はバラされ、道具類は燃えるゴミになってしまう。
後には何も残らない。残るのは記憶ばかりである。

なればこそ、今回のように面白い芝居は、一人でも多くの人の記憶に残って欲しい。だから人にも積極的に紹介したいのである。でも文章を作っているうちに公演期間は過ぎてしまう。

儚いね、芝居は。
だからこそ、俺は芝居が好きなのだけれど。

はえぎわのお芝居は、多分、はえぎわのお芝居でしか味わえない時間であった。
きわめて非日常な時間であったけれど、その大元は僕らの日常を切り取って戯画化したもので、だから僕らと無関係ではない世界だった。
何かを訴えるような重ったるいものではなかったけれど、何かを考えるベースになるような、社会とか現代とかに関する物の見方を提示していた。と俺は思った。

それは「おもしろかったで〜す」と言って終わってしまうような物ではなくて、芝居を観て感じたことがらを、記憶として持って帰って、ゆっくり咀嚼しながら、日常の中に新たな発見をする。そのためのお芝居だった。と俺は思った。

だからもう消えてしまったお芝居だけれど、少なくとも俺の記憶にはちゃんと残っていて、それなりの存在感を日々示してはいるのである。

儚いが、強いね、芝居は。
だからこそ、俺は芝居が好きなのだけれど。

そして、ノゾエ氏と一緒に芝居やるのが、今は楽しみである。
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by w-edge-t | 2011-07-12 13:16 | 芝居の現場で考えた

チラシなんか貼ってみたり

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チラシなんかが出来てくると、後戻り出来ない感と言いますか、もうやるしかない感と言いますか、実にもう何と言いますか、よろしくお願いします。
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by w-edge-t | 2011-06-27 23:03 | 芝居の現場で考えた


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高山なおき プロフィール

ダブルエッジ 作家
1969年7月6日生まれ

主な作品
○映画
「娘道成寺~蛇炎の恋~」(高山由紀子と共同)

○演劇
「ダブルエッジの忠臣蔵!」
「輪廻くん」
「天気待ち~waiting for the sun~」(奈良橋陽子と共同)  他

○ラジオドラマシナリオ
NHK-FM「魔法の王国売ります!」他

○テレビドラマシナリオ
NHK「ゴーストフレンズ」 他

○ゲームシナリオ
東芝EMI「ずっといっしょ」

○小説
ZEST「ずっといっしょ~秘密の星空~」

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